「C7」「CM7」「Cm7」「CmM7」…
これらのコードネームは見た目が似ているので、
とても間違えやすいコードですよね。
ですが、コードネームのルールさえ理解すれば、
複雑に思えるコードも「意味のある記号」としてスッと頭に入ってくるようになります。
今回は、間違えやすいコードネームのルールと違いを整理しながら、
C7・CM7・Cm7・CmM7といった代表的なコードを例に
初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
さらに、よく寄せられる質問もQ&A形式でまとめました!
この記事を読み終える頃には、コードネームをもっと理解できるようになっているはずですよ♪
(音楽の)コードネームとは?基本構造と意味
コードネームは3つの要素でできている
コードネームを理解するためには、その基本構造を知ることが第一歩です。
コードネームは大きく分けて、
✅ルート音
✅コードタイプ(メジャーやマイナーなどの種類)
✅7度やテンション(7や9など追加される音)
の3要素で構成されています。
たとえば「Cm7」であれば、
Cがルート音、mがマイナーを意味し、7は短7度(シ♭)を加えることを示しています。

この仕組みさえわかれば、C7やCM7など、
似たようなコードの違いも自然と理解できるようになります。
メジャーとマイナーの違い、セブンスとメジャーセブンスの違い
コードネームに、小文字の「m」が付くかどうかは非常に重要です。
m(小文字)はマイナーコードを意味し、mが付いていなければメジャーコードを意味します。
ここで多くの初心者が「メジャーなのにMが付かないのはなぜ?」と疑問を抱きますが、
実はメジャーコードは基本形として扱われるので、
あえて特別な記号を必要としないんです。
一方で、「7度の音」は、「CM7(Cメジャーセブンス)」のように大文字のMを使用して、
マイナー7(Cm7)と区別します。
「M7」が付いているコードは「長7度の音」を含む「メジャーセブンスコード」
「7」だけのコードは「短7度の音」を含む「セブンスコード」です。
たとえば「Cm7」であれば、「C」に「m」と「7」が付いているので「Cマイナーセブンスコード」、
「C7」であれば「C」に「mが無く」そして「7」が付いているので「Cセブンスコード」、
「CM7」であれば「C」に「mが無く」そして「M7」が付いているので「Cメジャーセブンスコード」、
「CmM7」であれば、「C」に「m」と「M7」が付いているので「Cマイナー・メジャーセブンスコード」となります。
この違いを理解するだけでも、コードネームの混乱はかなり減るはずです。
C7・Cm7・CM7・CmM7の違いと構成音
では、もっと深く理解するために、コード構成音を見ていきましょう。
コードネームをしっかり理解するためには、実際に構成音を分解して比べるのが一番の近道です。
ここでは、間違えやすい4つのコード「C7」「Cm7」「CM7」「CmM7」を例に解説していきます。
それぞれの構成音を分解してみる
まず「C(シー)」というコードの基本は「ド・ミ・ソ」です。
この3つの音が土台となり、マイナーや7th(セブンス)やM7(メジャー7th)といった音が追加されることで、
複雑な響きが生まれます。
- C7(シー・セブン)=C+7=「ド・ミ・ソ」+「シ♭」
- Cm7(シー・マイナー・セブン)=Cm+7=「ド・ミ♭・ソ」+「シ♭」
- CM7(シー・メジャー・セブン)=C+M7=「ド・ミ・ソ」+「シ」
- CmM7(シー・マイナー・メジャー・セブン)=Cm+M7=「ド・ミ♭・ソ」+「シ」

この4つを見比べると、3度(ミ/ミ♭)と7度(シ/シ♭)の組み合わせがポイントだと分かりますよね。
特に「CmM7」は、マイナーの暗い響きに長7度(シ)の緊張感が加わり、独特な雰囲気を持っています。
間違いやすいポイント
初心者がよくやってしまうのが、C7を「Cメジャー7」と勘違いすることです。
実際にはC7は「Cメジャー(ド・ミ・ソ)」に短7度(シ♭)を加えたコード、
CM7は「Cメジャー(ド・ミ・ソ)」に長7度(シ)を加えたコードです。
また「m」がコードのどこに付いているかも重要です。
C7とCm7では、ルート(C)は同じでも、3度の音がメジャー(ミ)かマイナー(ミ♭)かで響きがまったく違います。
C7・Cm7・CM7・CmM7を聴き比べ|響きの違いと覚え方
コードネームを正しく覚えるためには、紙の上の理論だけでは不十分です。
実際に弾いて(またはDTMに打ち込んで)音の響きを聴き比べることが、効果的な学習方法のひとつです。
特に「C7」と「CM7」のように名前が似ているコードは、構成音の違いがわずか1音であるため、耳での感覚を育てておくことが重要です。
C7・Cm7・CM7・CmM7の、響きの違い
では、C7・Cm7・CM7・CmM7を、4つ連続で聞いてみましょう。
(以下の再生ボタンを押して試聴できます)

いかがですか?
特にC7(ド・ミ・ソ・シ♭)とCM7(ド・ミ・ソ・シ)は混同しやすいコードですが、
実際に聴き比べると、雰囲気が全く違いますよね。
厳密に言うと、keyによって役割は変わりますが、
C7は「シ♭」が入ることで、少し渋くブルージーな響きになります。
これはブルース、ロック、ファンクなどでよく用いられ、
曲に緊張感や深みを与える効果があります。
一方、CM7は「シ」が入るため、明るく開放的で、どこか幻想的な印象を与えます。
バラードで、落ち着いた雰囲気を出すために頻繁に使われるコードです。
コード進行での違いを体感
単体で弾くだけでは違いが分かりにくい場合、コード進行に組み込むと理解しやすくなります。
たとえば、
コード進行例1:CM7– FM7 – G7 – CM7
進行例1はメジャーセブンスコードを主体にしたコード進行です。
ポップスでよく使われるコード進行で、透明感のある響きになります。
コード進行例2:C7 – F7 – G7 – C7
進行例2は、セブンスコードを主体にしたコード進行です。
ブルースでよく使われるコード進行です。
このように、コードの使い方によって、曲の雰囲気が大きく変わることを、
実際の演奏を通じて体感することが大切です。
コードは耳と指で覚えよう
同じルート音(C)で「C7」「CM7」「Cm7」「CmM7」を弾いて(またはDTMに打ち込んで)、
繰り返し聴いてみると、自然と響きの差が耳に残るようになります。
ギターや鍵盤でコードを押さえるとき、「この響きは柔らかい」「この響きは切ない」といった印象を言葉でメモするのもおすすめです。
耳で違いを体感し、指で覚えることが、コードネーム習得の近道です。
C9・Cadd9・Cdim・Caugなどコードネーム一覧
コードネームの基本を理解したら、次は実際の音楽シーンでよく使われる応用コードを覚えてみましょう。
ジャズやポップスでは、基本形のメジャー・マイナーコードだけでなく、
テンション(9thや11th、13thなど)や特殊な構成音を含むコードが頻繁に登場します。
C7(9)(シーセブン・ナインス)
C7(9)は、C7(ド・ミ・ソ・シ♭)に9度の音「レ」を追加したコードです。
略してC9と書かれることもあります。
構成音はド・ミ・ソ・シ♭・レとなり、豊かでジャズらしい響きが特徴です。
R&Bでも定番のコードで、バッキングやイントロに使うと、サウンドに広がりが生まれます。
他にも「CM7(9)」や「Cm7(9)」などもあります。
Cadd9(シー・アド・ナインス)
Cadd9はCメジャー(ド・ミ・ソ)に9度の「レ」を加えたコードです。
C7(9)との違いは、7度の音(シ♭)が含まれない点です。
構成音はド・ミ・ソ・レで、澄んだ爽やかさが魅力です。
Cdim(シー・ディミニッシュ)
Cdimは短3度ずつ重なったコードで、構成音はド・ミ♭・ソ♭・ラです(ド・ミ♭・ソ♭と書いている本もあります)。
響きは緊張感があり、転調でよく使われます。
Caug(シー・オーグメント)
Caugは長3度ずつ重なったコードで、構成音はド・ミ・ソ♯です。
これも転調でよく使われるコードです。
ピアノコードネーム一覧表(ルートC)
ここまで出てきたコードを一覧表にすると、このようになります。


コードネームのよくある質問|C7やCm7の違いQ&A
コードネームに慣れていないと、似た表記やルールの例外で混乱しやすいですよね。
ここでは、初心者からよく寄せられる質問をQ&A形式で整理し、誤解を解消していきましょう。
Q1:C7ってCメジャー7(CM7)の略じゃないの?
A:いいえ、違います。
C7は「Cメジャー(ド・ミ・ソ)」に短7度「シ♭」を加えたコードです。対してCM7は「Cメジャー(ド・ミ・ソ)」に長7度「シ」を加えたコードです。
名前が似ていますが、構成音はC7=ド・ミ・ソ・シ♭、CM7=ド・ミ・ソ・シで、響きも全く異なります。
Q2:m7とmM7の違いって?
A:7度の種類が異なります。
- Cm7(マイナー・セブン)は、マイナーコードに短7度を加えたコードで、構成音はド・ミ♭・ソ・シ♭です。
- CmM7(マイナー・メジャー・セブン)は、マイナーコードに長7度を加えたコードで、構成音はド・ミ♭・ソ・シになります。
Q3:メジャーコードなのに、大文字の「M」を書かないのはなぜ?
A:メジャーコードは“基本形”だからです。
C(ド・ミ・ソ)やF(ファ・ラ・ド)のようなコードは「メジャー三和音」が基準になっており、特別な記号をつける必要がありません。
一方、マイナーコードには「m」を付けて、メジャーと区別しています。
Q4:C△7やCmaj7って何?
A:CM7と同じ意味です。
「CM7」は「C△7」や「Cmaj7」と書かれることがあります。
ド・ミ・ソ・シという構成音はCM7と全く同じです。
Q5:コードネームの「add」や「sus」って何?
A:追加音・置き換え音を意味します。
たとえばCadd9は「ド・ミ・ソ」に「レ」を追加したコードで、Csus4は「ド・ファ・ソ」のように3度の音(ミ)を4度(ファ)に置き換えたコードです。
コードネームの覚え方|ピアノで学ぶコツ
コードネームを単なる暗記で覚えようとすると、似た名前のコードに混乱しがちです。
そこでおすすめなのが、「構成音を実際に鳴らしながら、耳と指で覚える」という方法です。
たとえばC7なら「ド・ミ・ソ・シ♭」、CM7なら「ド・ミ・ソ・シ」と、
違いを耳と指で確かめることで、記憶が定着します。
また、楽曲分析も効果的です。
好きな曲のコード進行を確認し、C7やCM7がどんな場面で使われているかを調べてみてください。
実際の曲の中での響き方を理解すると、「あ、この切ない雰囲気はCmM7だな」といった発見があります。
先ほど書いたように、C7・Cm7・CM7・CmM7の構成音を見比べるのも良い方法です。
見比べることで「3度と7度の違いが響きを決める」というポイントが明確に見えてきます。
まとめ:コードネームを味方にしよう
コードネームは、音楽の世界で使われる共通言語のようなものです。
そして、コードネームを見るだけで、ある程度の演奏も出来てしまう便利なものでもあります。
最初はC7やCM7などの違いに戸惑うかもしれませんが、
今回紹介したようなルールを理解すれば、難しいものではありません。
音楽は「理論」と「感覚」が融合してこそ面白さが増します。
コードネームを正しく理解することは、作曲・アレンジ・演奏のすべてに役立つ重要な基礎です。
ぜひ、日々の練習や耳トレーニングに取り入れて、コードネームを自分の味方にしてくださいね(^◇^)ノ
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